ふつうは、病院に行くと医師が処方を発行し、それをもって近くの薬局へ行き、そこで薬剤師から薬を受け取っていると思います。
風邪はインフルエンザ、他には花粉症などの流行のある一定の期間は病院も混んでますが、薬局のかなり混んでしまって、かなり待つことがあります。
ですが、2019年9月30日にある法律が改定され、これらの問題が一気に解決する可能性が出てきました。
法律(厚生労働省関係国家戦略特別区域法施行規則)が改定され、都市部でもオンライン服薬指導が可能となりました。
参考:内閣府国家戦略会議より
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/dai41/shiryou.html
病院で診察後に薬局に行かなくてもスマホで薬剤師とテレビ電話で飲み方の説明を受けます。
その後は薬局に取りに行かなくても自宅に薬が郵送されてきます。
オンライン服薬指導について詳しく説明していきます。
監修薬剤師
✅ 日本で約50人しかいない最難関の指導薬剤師に最速で認定
✅ 医師からの薬の相談件数:年間約1,000件
✅ 当サイトで解説している市販薬の販売実績:2,700件以上
目次・・・
現時点でオンライン服薬指導を実施している薬局はどこか?
2019/10時点では法律の改定がなされたばかりですので、オンライン服薬指導を行っている薬局はありません。(特区にはありますが一般的には利用できない)
登録薬局数:28件 ※中医協議事録より
今後、システムを整備して、徐々に増えてきますので、逐一報告していきます。
オンライン服薬指導ってそもそもどんなことやるの?
オンライン服薬指導とは、スマホのテレビ電話を使って薬局の薬剤師に薬の飲み方の説明を受けることをいいます。服薬指導を受けたあとは自宅に薬が配送されてきます。
これまでは必ず対面で薬の説明が義務付けられてましたが、今後はスマホのテレビ電話越しで良いと法律が改定されました。(注意点としては、ただの電話ではだめで、必ずテレビ電話でなければなりません)
オンライン診療(医師の診察をテレビ電話で行う)が普及すれば、自宅や職場で病院の診察から薬局での薬の受け取りが完結します。
忙しいビジネスマンや子育てで忙しいママ、さらには外出が大変なお年寄りにとってとても便利なものになると予想されます。
スマホで診察を受けるオンライン診療については別の記事で詳しく説明していますので、ここでは薬局での薬剤師とのやりとりをスマホで済ます方法を詳しく説明していきます。
オンライン服薬指導で薬を受け取るには厳しい条件がある!
オンライン服薬指導で薬局に行く手間を省きたいを思ってもどんな場合でも利用できるわけではありません。
いくつか条件がありますので、紹介します。
一番重要な条件は病院の診察がオンライン診療であることです。
通常の診療を受けた場合はオンラインで薬局の利用はできません。あくまで、病院の診療と薬局での服薬指導の両方がオンラインであることが条件です。
オンライン服薬指導とセットになる「オンライン診療」の受けるまでの流れやメリット・デメリットの解説は別の記事で詳しく説明しています。
オンライン診療自体は徐々にではありますが、普及してきています。
オンライン服薬指導の対象疾患は限定される!風邪やインフルエンザの感染症などには適さない!
オンライン服薬指導は薬が配送されてきます。ですので1~2日ほど日数がかかります。
ですので、この辺りはオンライン診療の同じではあるのですが、すぐに薬をすぐに飲まなければならないよう病気やケガには適しません。
処方せんの電子化が必要不可欠!整備には数年かかる可能性が高い!
オンライン診療を受けた後にオンラインで薬局を利用する場合は処方せんは電子化されたものを使います。
処方箋を電子化しなくても「特定処方箋」というものを医師が発行すれば、一応はオンライン服薬指導は可能ですが、時間がかかりすぎてしまい現実的ではないように思います。
特定処方せんとは?
通常処方せんは診察の後に患者に渡すものですが、特定処方せんは患者を介さずに直接薬局に送付します。この場合、基本的には郵送なので薬局が処方せんを受け取るまでに1~2日ほど要します。
アメリカでは電子処方せんは一般的ではあるのですが、日本ではまだハード面の整備が進んでおりません。
この高いハードルが解消されなければ、なかなかオンライン服薬指導の普及は難しいと考えられます。
オンライン受診からオンライン服薬指導まですべてスマホで行うには現時点では結構ハードルが高いといえます。
薬局を便利に待ち時間を少なく利用するなら、スマホで処方せんを薬局にあらかじめ送信しておく方法だと思います。
具体的には別の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
オンライン服薬指導とはなんかめんどくさそうだし、普通に薬局行くよって思う人が多いんじゃないでしょうか?でも時代の流れがそれを許さないかも?
食品、生活必需品は商店街から大規模のモールに顧客を奪われ、そのあとEC業界(アマゾンや楽天のようなサービス)が席巻しています。
服は試着してから買いたいって人も沢山いましたが、いまやネット通販でも試着できます(一度配送してもらってフィッティングをして返却)ので、徐々に洋服の購入も通販でという人が増加しています。
EC業界の波は医療業界にも押し寄せてきており、「自分は近くの薬局で受け取るよ」って思っても薬局自体が通販業界に顧客を奪われてしまうので営業し続けているとは限りません。
そうすると、受取に行く薬局が近くにないので結局は通販のようにスマホで処方薬を入手することになります。
アマゾンなどの EC(electronic commerce)業界の参入でひと昔前の商店街と同じ転帰をたどる可能性が高い
現在のアメリカは今の日本のように処方箋を薬局にもっていって、その場で薬の説明を受けてから薬を受けとるというのが主流です。ですが、徐々にオンラインで病院から処方された処方薬を受け取るという方法をとる「オンラインファーマシー(online pharmacy)」が勢力を伸ばしています。
そのオンラインファーマシーの中でも大手の「PillPack」という会社がAmazonと合併し、いまアメリカの薬局業界は大きく変わろうとしています。
Now Amazon and PillPack are seen as a threat to pharmacy benefits managers in the nearly $500 billion U.S. prescription and medication business.
薬局のマネージャたちはアマゾンとPillPackを500兆円規模の処方薬ビジネスの脅威とみなしている。
つまり、嫌がうえにもオンラインでの薬局利用が強制される可能性があり、おそらく10年以内にはそういった社会になってくると思いますし、これはアメリカに限ったことではなく、法改正があったことからも日本も同じように医療のオンライン化が進んでいくことは間違いありません。
オンライン服薬指導の解禁により薬局の今後は相当やばい!
町によく見る病院の前にある薬局(門前薬局)は数年で姿を消し、処方薬はアマゾンや楽天から受け取ることになる未来が待っていると予想します。