私は歯磨きは電動ではなく手で磨く派でした。
ですが妻が最近、超音波電動歯ブラシを買って、これはきれいになる!と言っていたので、自分もいいのがあったら買おうと触発されました。
職業柄、臨床データで証明されているのを買いたいと思ってしまうため、論文などを調べて本当にいい電動歯ブラシを探した結果をまとめたいと思います。
色々調べた結果、2020年11月時点でもっとも合理的なのはこれだと思いました。
どうしてこれを選んだのか臨床データをもとに解説していますので、最後まで読んでもらえれば最もプラーク(歯の汚れ)を効果的にキレイにできる最強の電動歯ブラシの選び方がわかると思います。
監修薬剤師
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目次・・・
まずは電動歯ブラシについて、よくある勘違いを臨床データを元にして誤解を解く!
ここでは、
歯をキレイしたい
とか
虫歯を防ぎたい
など理由があって電動歯ブラシを探していると思いますが、どれを選んでいいか迷っていると思います。
どうして迷うかというと色んな情報がありすぎて選べないのが原因ですが、電動歯ブラシの情報で間違った認識の人が多いです。
例えば
✔ 値段が高いほど効果が高いと思っている
✔ 超音波電動歯ブラシが良さそうと思っている
✔ ブラシ部分の形状によって磨いた後のきれいさが変わると思っている
✔ 歯並びが悪い人は電動歯ブラシのほうがいいと思っている
✔ 超音波電動歯ブラシは歯と歯の間まで汚れが取れる
などですが、結論から言いますとこれらは完全に勘違いです。
この勘違いを正さないと間違った電動歯ブラシ選びをしてしまうことになります。
臨床データを元に詳しく解説していきます。
価格が高い電動歯ブラシほど歯をきれいに磨けるか?
価格が高い電動歯ブラシは色々な機能があって高いわけですので高い電動歯ブラシの方がきれいになるはずと思う人も多いのは当たり前です。
そこで、その認識が正しいのか論文を探した結果、下のような検証がされていました。
2015年に口腔病学会で発表された研究ですが、「価格が高いもの」と「安いもの」の歯の汚れの取れ具合を検証した報告があります。
ハローキティ電動歯ブラシ(オーム電機:1580円)と 音波振動歯ブラシドルツイオン(パナソニック:19800円)で比較しました(価格は10倍違います)
価格が10倍なので10倍キレイになってもらわないと困る(?)わけですが、
結果は
プラーク除去率は
ハローキティ電動歯ブラシ(1580円)→91.1%
音波振動歯ブラシドルツイオン(19800円)→84.6%
参照:各種電動歯ブラシの清掃効果に関する研究
となり、高い方の音波振動歯ブラシドルツイオンが負けるという結果でした。
つまり、価格が高いものがいいとは限らないということです。
電動歯ブラシの動きのタイプでどれが一番歯をきれいにする効果が高いのか?
電動歯ブラシはブラシが自動で動いてくれて歯が磨ける訳ですが、その動き方は大きく分けて3種類あります。
電動歯ブラシの動きは「回転型」と「反復型」と「超音波型」
特に超音波電動歯ブラシって最近よく宣伝されています。
「超音波」ってひびきがなんだか歯をキレイにしてくれそうな印象ありますよね?
それぞれのタイプの電動歯ブラシでどれが良く磨けるのか臨床データを調べますと
超音波電動歯ブラシと他の電動歯ブラシでプラーク除去率は同じ
日歯周誌 53(3)191-196,2011
ということがわかりました。
さらに
電動歯ブラシ4種と手用歯ブラシ1種を比較した研究においては,与えられ た条件で適切に用いた場合,反転型,振動型(2種), 毛束反転型,手用歯ブラシ間に有意差は認められな かった。
日歯保誌,34:929-938,1992.
つまり、
電動歯ブラシの動きはどれでも一緒という結果です。
ブラシ部分の形状はどれがよいか?
ブラシの形状っていろいろあります。(電動歯ブラシに限らずですが)
CMなどで山型ヘッドがいいとか見たことありますが、ブラシの形状でハミガキのきれいさが変わるのか疑問に思ったので調べてみました。
結論としては、
ブラシの形状でプラークの除去率は変わりません
本歯周病学会会誌,55(2): 140~147, 2013
とのことです。
歯並びが悪い人は電動歯ブラシのほうがいい?
歯並びが悪い人は、普通の歯ブラシではうまく磨けないから電動歯ブラシのほうがいいなんて話を聞いたことがある人もいると思います。
これに関しても論文が出ており、「手で磨く場合」と「フィリップ社のソニックケアという電動歯ブラシ」で比べたのですが、
歯並びが悪くても、電動歯ブラシの方がきれいになるということはないということです。
必ずしも歯並びが悪い人が電動歯ブラシを使えばキレイになるわけではなかったので、手用歯ブラシ、音波歯ブラシの特徴を知り、正しく使用していくことが大切である。
保健つるみ 第31号(2008)
また、歯並びが悪い人は歯石がたまりやすいので、定期的に歯医者に行っている人は多いと思います。
そのような人は歯科衛生士さんからブラッシングの指導を受けると思いますが、基本的には手磨きでの指導だと思います。
そのようにブラッシングの指導を受けている人はあえて電動にする必要がありません。
ここまでの情報をまとめて、買うべきおすすめの電動歯ブラシは?
実際に電動歯ブラシでどれが一番よいかというと、
実際どれでもいい
が答えになります。
身も蓋もないですが、効果がどれを選んでも同じです。
それを踏まえて、自分ならどれにするかですが、
・安すぎると電池式(充電式ではなく)のものしかなく、電池を取り換えるのが面倒なので充電式がいい
・超音波型は替えのブラシが結構高いので回転式が反復式がいい
・それなりに売れているものがいい。(生産中止になって替えのブラシが買えなくなるのが嫌だったので)
・価格が1600円くらいなので買いやすい
・歯科医師会が推奨している
あとはデザインを考慮して、
冒頭にも紹介したこちらがおすすめです。
理由は、充電式の電動歯ブラシの中で安価であることと、替えのブラシも安く、さらにデザインも無難だと思ったからです。
あと口コミを見て、すぐに壊れるとか書いてあったら嫌ですが悪い口コミもなかったのもポイントは大きいです。
あと子供用として買うならこれがおすすめです。
うちの4歳の子供は歯ブラシをなかなかさせてくれませんでしたが、これにしたら率先して歯磨きをやってくれます。
電動歯ブラシを選ぶときのまとめ
- 電動歯ブラシや超音波電動歯ブラシの効果はほとんど手で磨くのと変わらない
- 値段やブラシの形状による差もない
- 歯並びが悪いからと言って電動が必ずいいわけではない
- 超音波式は代えのブラシが高い傾向があるからおすすめしない
- 電池式は電池の入れ替えが面倒なので充電式がおすすめ
- あとは機能ではなくデザインで選ぶしかない
この記事を読んで、そもそも手で磨いても差がないなら電動歯ブラシを買う必要ないじゃんって思った人もいると思います。
実際、しっかりと手を動かせる人なら基本的には電動歯ブラシは不要だと思います。ですが、子どもに対しては電動歯ブラシのメリットはかなりあります。
どのような人が電動歯ブラシを買うべきか、メリットがあるかについては別の記事でまとめてますので興味があれば読んでみてください。
逆に電動歯ブラシが歯茎を傷つけるので心配という人はこちらの記事がおすすめです。
ハミガキ粉選びで迷ったらこちらの記事がおすすめです。