薬剤師の就職先は色々と選択肢がありますが、その中で病院薬剤師は「給料が安い」「仕事がキツイ」といった理由から避けられがちです。
特に大学病院の薬剤師は新卒の給料は350万-400万程度と仕事がキツイ割りに給料は安いです。
ですが、給料が安くても高度で最新の医療を学べて、認定・専門薬剤師を取得できるなどキャリアアップにつながるというメリットもあることから、就職する人は結構います。
ですが、専門薬剤師取って、具体的にどういう恩恵があるの?給料は高くなるの?
と疑問に思いませんか?
そこで、私の経験に基づいて、新卒で大学病院に入って15年キャリアを積んだ後に、専門薬剤師を持った状態で保険薬局に転職すると給料がどれくらい高くなったのか?について紹介します。
目次・・・
筆者の経歴は以下の通りです
大学院を卒業後、新卒で大学病院に就職。そこで、論文を書いたり、専門薬剤師を取得したりと、大学病院の薬剤師としては平均的な仕事をしてきました。
そして、大学病院で働いて15年目にして転職活動をしました。
そして、せっかく大学病院で色々学んだので、どうせなら給料は今よりアップしたいと思ったわけです。
そこで、「給料が高いと言われている保険薬局」に的を絞って転職活動をして、その大手調剤各局に内定をもらうことができました。
転職によって、給料はどれくらい上がったかを見てみましょう
とりあえず大手の調剤薬局に応募し、無事に内定を頂くことはできました。
内定の際に提示された給料をその当時、わかりやすく当時の病院の給料を比較してまとめますとこのようになります。
病院の給料 | 調剤薬局の給料 | |
基本給(月) | 36万円 | 44万円+10万円(諸手当) |
残業手当て(月) | 6万円(1か月:20-30時間) | 0円(管理職扱いのため) |
住宅手当て(月) | 2万円 | 1万円 |
夜勤・休日出勤手当(月) | 2万円 | 0円(夜勤・休日出勤なしのため) |
ボーナス(年) | 150万円 | 180万円 |
年収(手当て込み) | 760万円 | 720万円 |
見てわかりますように年収は下がりました(笑)
調剤薬局は給料が高いイメージがありましたが、ある程度の額で頭打ちになってしまうようです。
ただ、今回の調剤薬局の求人はじつは大手の調剤薬局の本社勤務での求人でした。
ですので、、土日は休みですし、裁量権もあるためやりがいはある業務でしたので、給与以上のメリットはある仕事だと思います。(通常、薬局の店舗の薬剤師は土曜も仕事ですし、本社には仕事で結果を出した優秀な人しか異動できない)
このように、大学病院でしっかり勉強して専門薬剤師を取得することで転職で給与は700万を切ることはなく、通常ならなかなか異動できない部署にいきなり入れるというメリットがあることが実証することができました。
大学病院の薬剤師でないとキャリアアップはできない?
今回紹介した私のキャリアアップは「製薬企業への転職」です。
病院薬剤師から製薬企業への転職は一般的にはハードルは高いのです。しかし、大学病院や大病院で経験を積むことで製薬企業への転職可能だと思います。
一方、中小規模の一般病院の薬剤師では、製薬企業へ転職しても給与アップは難しいのではないかと思います(あくまで私の周りの話です)
理由としては、企業は「客観的に示せる成果」を転職希望者に求めていて、中小規模の病院薬剤師では、成果を出す機会は明らかに減るからです。
客観的に示せる成果とは、私の場合は、「論文や学会発表の数」、「認定薬剤師や専門薬剤師の取得」、「薬剤部内の部署の管理職経験」です。
これらの「客観的に示せる成果」を出すには、やはり大学病院などの大病院で薬剤師をやるほうがノウハウの蓄積もあるので有利になるはずです。
よって、製薬企業へのキャリアアップを視野に入れるのであれば、就職先は大学病院(もしくは大病院)に就職することをおすすめします。