【時給換算で3万2千円?】知らず知らずのうちに薬代が高くなってませんか?専門薬剤師が曝露します!

2018年の医療費が42兆円となり、この額は今後も増えていくと見込まれています。

そんな中、薬剤師的にこの医療費って無駄じゃない?と思ったことがあり、この記事を書きました。

じゃー何が無駄かというとまず最初にこちらの画像をみてください。

これは3年くらい前に私が副鼻腔炎で通院しているときの薬局から請求された明細書です。(古くてすいません)

赤枠の部分に注目してほしいのですが、「薬剤管理料」で34点請求されています。

実は知らない人が多いのですが、薬剤師はもちろん医者や看護師など「薬の知識がある人が患者」の場合は請求しちゃだめな料金なんです!

でも、いつの間にかお金を払ってしまっている人がかなりいます。

でもわかりにくいので実体験を踏まえて解説します。




 

そもそも薬剤管理料って何?

薬剤管理料と一言いっても実は以下のように細かく分かれております。(2020年現在)

薬剤服用歴管理指導料
かかりつけ薬剤師指導料
かかりつけ薬剤師包括管理料
外来服薬支援料
服用薬剤調整支援科
在宅患者訪問薬剤管理指導料
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
在宅患者緊急時等共同指導料
退院時共同指導料
服薬情報等提供料
在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料

沢山あってよくわからないですよね?私の明細書には「薬剤管理料」とのみ書かれているだけでしたので具体的にどの料金なのかわかりません。

ですので、推測になりますが、

私の場合は点数に「薬剤服用歴管理指導料」だったと思われます。※薬剤服用歴管理指導料は3年前は34点で現在の点数は53点です。

この薬剤服用歴管理指導料っていうのがかなりの曲者なので解説していきます。

薬剤服用歴管理指導料とは?患者のメリットは何?

お金を患者から取るので何らかの利点(メリット)が患者にあるわけです。

じゃー「薬剤服用歴管理指導」ってなにをしてくれるんだってことですが、薬剤服用歴管理指導料についての説明について主なものを抜粋しますと、

✔ 患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を文書又はこれに準ずるもの(以下この表において「薬剤情報提供文書」という。)により患者に提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと。
✔  処方された薬剤について、直接患者又はその家族等から服薬状況等の情報を収集して薬剤服用歴に記録し、これに基づき薬剤の服用等に関して必要な指導を行うこと。
✔  患者ごとに作成された薬剤服用歴や、患者又はその家族等からの情報により、これまでに投薬された薬剤のうち服薬していないものの有無の確認を行うこと。
✔  薬剤情報提供文書により、投薬に係る薬剤に対する後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無及び価格に関する情報を含む。)を患者に提供すること。

つまり、簡単にいうと、

薬剤服用歴管理指導とは?
薬の飲み方の説明・ほかの薬の飲み合わせで不都合がないかチェック・その他注意点があればその説明を薬剤師がしてくれる

というものです。

ただ、実際は「説明とかいらないよ!」「薬だけちょうだい!」って患者さんがかなり多いんですよね

でも、この気持ち、めっちゃわかります!

なんでかっていうとこんな経験を薬局でしたからです。

実際、自分が薬局に行ったときの実体験

 最初に画像で示したように、私が薬局に薬を調剤してもらいに行ったら、「薬剤管理料」を請求されていたわけですが、実際どのような流れでそのようなったか説明します。

病院⇒薬局までの流れ

副鼻腔炎で耳鼻科を受診

⇒その後、抗菌薬などの院外処方が発行される

⇒門前薬局に行く

薬局での流れ

薬局で受付に処方せんを渡すと、最初にアンケートを書いてくださいと言われました。
こんな感じの奴です。

このアンケートは患者が薬のアレルギーがないかなどチェックするために必要なもので初めて薬局に行くと大体書くようにお願いされると思います。

私が利用した薬局のアンケートには職業を記載する欄があったのでそこに「薬剤師」と書きました。

そして、そのアンケートを提出してから数分ほど薬の準備ができるのを待っていました。

そして私の名前が呼ばれカウンターで薬剤師が薬の飲み方の説明をしてくれました。

薬局薬剤師とのやりとり
「今日受診されたのは、抗菌薬が出ているので、何かの感染症でしょうか?」

⇒「副鼻腔炎と言われました」
「この薬は1日2回 朝と夜に飲んでください」
⇒「はい」
「今回は別にもう一種類薬が出ていて、こちらは1日3回 毎食後にのんでください。」
⇒「はい」
「ではお大事に!」

一般の方はどういう印象を持つかわかりませんが、薬剤師としては

「これだけ?これで薬剤服用歴管理指導料取るの?」

って感じです。
※ちなみにこの薬剤服用歴管理指導を行うと薬局はいくらもらえるかというと、「530円」です。(条件で多少変わりますが)

薬剤服用歴管理指導という上記のサービスの対価としてその見返りとして、薬局が受け取れるお金の額は530円(患者が159円、国が371円負担)です。

私は薬剤師で飲み方なんて熟知してます。そんな人にわかり切った飲み方の説明をして530円をゲットしています。

実質飲み方の説明だけなんて1分くらいなので時給換算で3万2千円です。

これって詐欺じゃない?って思ったら詐欺でした!

プロフィールにも記載していますが、筆者は現役の薬剤師です。

そして、患者が薬剤師などの医療従事者であった場合は「薬剤服用歴管理指導料を取るのはだめ!」と解釈できる厚生局が御触れを出していました。

薬学的管理に必要な患者の生活像をしっかり把握して算定するように

レセプトコンピュータの初期設定が、薬剤服用歴管理指導料を算定するようになっており、自動的な算定となるおそれがあるので、改めること

参照: 四 国 厚 生 支 局 「平成 30 年度に実施した個別指導において保険薬局(調剤)に改善を求めた主な指摘事項」

つまり、

その患者さんが本当に薬剤管理が必要は見極めて算定しなさい。不要な人から料金取ってはだめです。

ってことです。

そもそも薬局は患者から情報収集を事前に行ってもいない!

 薬剤管理が必要かどうかは薬を取りそろえる前に薬剤師が患者から情報収集をしないと薬剤服用歴管理指導料算定してはいけないという決まりもあります。

処方せんの受付後、薬を取りそろえる前に薬剤師が患者等に対して行う確認を、薬を取りそろ えた後に行っている不適切な例が認められたので改めること。
参考:近 畿 厚 生 局  個別指導(調剤)における 主な指摘事項より

本来は薬局で受付け後にまずは薬剤師(事務員ではダメ!)が面談を行い、患者と面接をして色々確認しなければ薬の取りそろえをしてはダメなのですが、私のときもこれもやってません!(ていうかちゃんとやっている薬局に出くわしたことがありませんが、やってるとこあるんですかね?

つまり、以下のような患者さんは(希望すればもちろんいいのですが)基本的に薬剤服用歴管理指導料を払う必要がありません。

✔ 患者自身が医師もしくは薬剤師もしくは看護師などの医療従事者で、処方されている薬の知識を十分有している場合
✔ 患者の家族に薬の知識を有した医療従事者がいる場合
✔ 受け付け後に薬剤師から薬に関するヒアリングを受けていないで直接、薬の飲み方の説明に入った場合

もちろん薬の管理を薬局の薬剤師にお願いしたい思った人は、薬剤服用歴管理指導料は有用なサービスでありますので利用してください。

特に高齢の方や複数の医療機関から薬をもらっている人はこの薬剤服用歴管理指導を受けることをおすすめします。

あくまで個人的な考えですが・・・
しかし、年に1、2回だけ風邪や花粉症で病院にかかるだけの人にとってはほぼ意味がないようなサービスです。でも、薬剤師でも医療従事者でもない人が「薬剤服用歴管理指導いらないっす」っていっても薬局側も「薬を安全に飲んでもらうための情報提供の義務」があるので「そーですか」とはなりませんので注意してください。
(個人には薬剤師じゃなくても「僕は薬剤師です」ってうそついてもいいんじゃないかってぐらいに思ってます。自己責任になりますが・・・)

自己負担額が200円弱でしょ?それくらい払うよ!って人に知ってもらいたい

自己負担額で考えると確かに200円もないくらいなので別にいいよって思うかもしれません。

確かに個人規模では小さいかもしれませんが、国レベルで考えると決して無視できない金額です。

薬剤服用歴管理指導料に支払われる医療費は?
薬剤服用歴管理指導料は毎月486万程算定されているので、年間で200憶円の医療費の財源から支出されている計算です。

算定回数は「平成29年 社会医療診療行為別統計 平成29年6月審査分」により

薬剤服用歴管理指導料だけで毎年200憶円が使われているってどうですか?

もちろんこの200憶円のうち必要なケースもあるでしょうが、何割から私のように不必要に算定された分であるのは事実です

自己負担額が低いから別にいいよって考えは皆保険の弊害の一つであると考えています。

少なくともこの記事が広まっても私自身は何の得もありません。純粋に医療費の無駄使いだなーって思っているからで、少しでも医療費削減に貢献できればなっていう思いで書いてます。

この料金のことを知ったうえで払うのであれば全然問題ありません。ただ、いつの間にか徴収されているという状況は変わってほしいなと願っています。





 

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大学病院の専門薬剤師

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