禁煙のための薬はドラッグストアや通販で購入でき、市販されている禁煙補助薬はたくさんあります。どれを使えばよいのかよくわからず何となく選んでいたりします。
よく見かける間違った選び方は以下のようなものです。
✔貼り薬(パッチ)の方が楽だから選ぶ
✔値段で選ぶ
このような選び方は完全に間違いです。
結論から言いますと禁煙の効果で選ぶのであれば、「ガム」のものを選ぶべきです。
その理由を説明していきます。
また禁煙する際に気を付けることをまとめてますのでこちらも参考にしてください。
監修薬剤師
✅ 日本で約50人しかいない最難関の指導薬剤師に最速で認定
✅ 医師からの薬の相談件数:年間約1,000件
✅ 当サイトで解説している市販薬の販売実績:2,700件以上
目次・・・
販売されている禁煙補助剤の種類は?
現在、禁煙補助剤として販売されているものは貼り薬(パッチ)となっているのものと、ガムとして噛むものの2種類が売られています。
貼り薬の一覧は以下のようになっています。
商品名 | 製造販売元 | 費用 | ニコチン量(体内移行量) | 使用方法 |
シガノンCQ1透明パッチ | グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン(株),販売会社/大正製薬(株) | 5000円(2週間で) | 7㎎ | その後2週間1日1回使用(ただし、最初の6週間でイライラ等なければ使用しなくてもよい) |
シガノンCQ2透明パッチ | 16800円(6週間で) | 14㎎ | 最初の6週間1日1回使用 | |
ニコチネル パッチ10 | 製造販売元/グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社 | 5184円(2週間で) | 7㎎ | その後2週間1日1回使用(ただし、最初の6週間でイライラ等なければ使用しなくてもよい) |
ニコチネル パッチ20 | 17496円(6週間で) | 14㎎ | 最初の6週間1日1回使用 |
また、ガムの製品は以下のものが販売されています。
ニコチネル ミント | 製造販売元/グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社 | 11100から49800円(タバコの本数により異なる) | 最短で8週間、長くて12週間 |
ニコチネル スペアミント | |||
ニコチネル マンゴー | |||
ニコレット | 製造販売元/ジョンソン・エンド・ジョンソン(株),販売会社/武田コンシューマーヘルスケア(株) | ||
ニコレットアイスミント | |||
ニコレットクールミント | |||
ニコレットフルーティミント |
禁煙補助剤の効果は?ガム製品とパッチ製品で禁煙成功率は同じ!
現時点で多くの研究がされており、代表的なデータを紹介すると、以下のようになっています。
リスク比はニコチンガムでは 1.49 (95% CI: 1.40-1.60)、ニコチ ンパッチでは 1.64 (95% CI: 1.52-1.78)
Stead LF, Perera R, Bullen C, et al. Nicotine replacement therapy for smoking cessation. Cochrane Database Syst Rev 2012; 11:CD000146.
わかりやすく説明すると
✔ニコチンガムで治療を10人行ったら、1人が薬が効いて禁煙に成功した
✔ニコチンパッチで治療を8人行ったら、1人が薬が効いて禁煙に成功した
⇒つまり、禁煙成功率はどっちでも変わらないってことです。
※これだけ見ると、貼り薬の方が効果が高そうですが、基本これは誤差範囲と解釈されています。(統計的には差がない)
また、10人中1人しか効果がないというのも低い気がしますが、実際はこの程度です。
市販薬での治療は効果がそもそも低いので、通院ができるのであれば病院やクリニックでの禁煙外来がおすすめです。禁煙外来で治療すれば、自分で禁煙するよりも高い禁煙効果が期待できます。
パッチの方が貼るだけいいので楽だし効果が一緒なら、そっちの方がいいんじゃないか?
確かに利便性ではそうなのですが、実は以下の条件の方がパッチ製品で治療をすると、禁煙の成功率が低くなる可能性があります。
体重が45kg以上あって1日当たり10本以上たばこを吸う人
成功率が低くなる理由は、上記の条件の方は、ニコチン依存性が高く、パッチ製品に含まれるニコチン量では吸いたい衝動を抑えられないからです。
海外のニコチンパッチの使用方法を見ると、体重が45kgは用量も多く、治療期間も長く設定しています
パッチ製品の日本と海外の比較
日本では
- 14mgのパッチを1日1枚6週間 その後、7mgのパッチを2週間使用
海外
- 1日10本以上タバコを吸う人で体重が45kg以上ある人
21mgのパッチを1日1枚6週間 その後、2週間14mgパッチを使用。さらにその後、2週間7mgのパッチを使用
- それ以外の人(タバコは1日10本以下であったり、体重が45kg以下の人)
日本と同じ使用方法となります。
ガム製品とパッチ製品はどちらが安い?
パッチ製品は8週間使用した場合、定価で全ての費用は21000円から22000円程になります。
一方、ガム製品はタバコを1日に何本吸っていたかで変わってきます。
例えば、1日20本以下の人で、費用は11000円から18000円
1日20本以上の方は、18000円から最大で5万円程になります。
ただし、これはあくまで定価となり、当サイトが調査したところ、楽天で購入すると最も安く購入できるようです。
市販の禁煙治療薬で禁煙するための薬の選び方のまとめ
- タバコを吸う本数が1日10本以下の人は体重に関係なく、効果はパッチ製品とガム製品で変わらないが、ガム製品の方が安くなるためガム製品の中から好き味を選ぶのがおすすめ
- タバコを1日10本~20本吸う人で、体重が45kg以上の人はガム製品を選ぶ(ガム製品の方が効果が高い)
- タバコを1日10本~20本吸うが、体重は45kg以下の人はガム製品の方が安くなるためガム製品の中から選ぶ
- タバコを1日20本以上で体重が45kg以上の人はガム製品の方が効果が高いので費用が高くなるが必ずガム製品から選択する
- タバコを1日20本以上で体重が45kg以下の人は、データ上はガム製品もパッチ製品も効果は同じだが、ガム製品で治療すると、パッチ製品より高額(最大1万円程高くなる)になる可能性があるので、パッチ製品で禁煙するとお得。
つまり、1日20本以上タバコを吸う人でかつ体重が45kg以下の人以外は、ガムの製品を選ぶべきということになります。
どうしても自力で禁煙できない人は?
市販の禁煙補助剤を使っても、どうしても禁煙できないって人もいると思います。そのような人にはオンラインで行う禁煙外来がおすすめです。
費用は少し高くなりますので、お金や効果の面を検討してやってみるか決めてもいいのではないでしょうか?