2020年4月から禁煙治療をオンライン診療で受けると保険診療(3割の自己負担)で治療できる方向で国が検討してます。
オンライン診療で行う今後の禁煙外来の動きと現状について詳しく説明していきます。
参考:オンライン診療で禁煙外来を行っているクリニックを地図検索
目次・・・
大前提として禁煙はなかなか自力ではできない!
禁煙をしたいと思っている人は「禁煙外来」というのを聞いたことがあると思います。禁煙はなかなか自分の意思でやめることができません。調査によると自力で禁煙できた人は1割ほどと言われています。
また、日本では禁煙の意思がある方の禁煙外来などでの禁煙治療をする割合が欧米に比べて低く, 多くの方が自力で禁煙しているのが現状です。
ドラッグストアや通販で禁煙補助剤が販売されていますが、その効果は10人中1人くらいにしか効果がありません。
引用:Cochrane Database Syst Rev 2012; 11:CD000146.
それでも禁煙補助剤で禁煙したい方は、おすすめの禁煙補助剤についての詳しい説明しています。
現在は病院などで3割負担で治療をすることができるようになっており、また、禁煙補助剤等で禁煙するよりも成功率が高く、また費用も安く済むことが多いので禁煙を試みるのであれば禁煙外来を利用するのがおすすめです。
また、禁煙をする場合は特に持病などで薬を飲んでいる人は注意が必要で、禁煙によって薬の副作用が出ることがあります。自力で禁煙していると、薬の副作用に気が付けませんので禁煙外来でお医者さんに診てもらっている方が何かと安心です。
そもそも禁煙外来って普通に病院に行くといくらかかるのか?
禁煙外来を保険診療(3割負担で受けられる人の条件)
✔ニコチン依存症の判定テストが5点以上
✔35歳以上の者については、1日の喫煙本数に喫煙年数を掛けた数が200以上であるものであること。
✔ただちに禁煙を始めたいと思っている
✔禁煙治療を受けることを文書で同意している
ドラッグストアなどの禁煙補助剤は、トータルで11000円から高くて49100円かかりますので、禁煙外来の方が、ほとんどの場合安く済むことがわかります。
※J&Jホームページより
「禁煙外来にかかりたいけど病院に行く時間がないよ」って人はオンライン診療で禁煙外来を利用するのがおすすめ
禁煙外来は治療は12週間続き、スケジュールは初診,2週,4週,8週,12週に診察をするようになっております。
つまり2週間ごとに5回病院に行って受診する必要があります。
2週間ごとに5回も連続で病院なんて行けないよ!って人多いです。
診察では、問診や呼気CO測定などの検査を行い,禁煙継続上の問題点を確認しながら治療を進めていくわけですが、忙しいサラリーマンは2週間に1度の診察はなかなかハードルが高いのかもしれません。
そこでおすすめなのが、オンライン診療で禁煙外来を受診することです。スマホで2週間に一度診察を受けるだけで、1度も病院に行く必要はありません。
その他にもオンライン診療についてのメリットなども押さえておいてください。
オンライン診療で禁煙治療を行う最大のメリットは初診からスマホで診察を受けることができること
禁煙の治療はオンライン診療を行うことができる疾患の中で唯一、1度も病院に行かなくてもよいと国から認められたものになります。
禁煙外来など定期的な健康診断等が行われる等により疾病を見落とすリスクが排除されている場合であって、治療によるリスクが極めて低いものに限っては、患者側の利益と不利益を十分に勘案した上で、直接の対面診療を組み合わせないオンライン診療を行うことが許容され得る。
※オンライン診療の適切な実施に関する指針より
オンライン診療での禁煙外来の利用は、近くに禁煙外来をやっている病院・クリニックがないような場所に住んでいる方にとってもとても便利だと思います。
オンライン診療で禁煙外来の治療を行うといくらかかるか?
オンラインで禁煙治療を行った場合は、保険適応とはならず、自由診療扱いになります。つまり、保険診療では3割負担で治療が行えるところ、「10割」負担となり、治療費は総額で6万円程となります。
2020年4月の診療報酬改定でオンライン診療で禁煙治療を行った場合も保険診療が認められる方向で検討されています。
2020年4月よりオンライン診療で禁煙治療を行った場合も3割負担になり、自己負担分で1万3,000円~2万円程度で済みます
ですので、保険適応の条件を満たしている方は禁煙するなら病院にいちいち行く必要がなくなります。絶対にオンライン診療で禁煙しましょう!
上記の「保険診療の条件」を満たさない方は、対面診療でも「自由診療」扱いとなりますので、そのような方は対面でもオンラインでも料金は変わりません。
そのような方もオンライン診療の料金は対面診療と変わらないので、結局はオンライン診療がおすすめです。
オンライン診療での禁煙外来は通常の禁煙外来よりも禁煙成功率が高くなる可能性がある!
「ニコチン依存症管理加算算定保険医療機関における禁煙成功率の実態調査」の 報告書を参考にすると、治療を最後までできた人、つまり12週間病院に通えた人の総割合は50.8%とされています。(www.mhlw.go.jp/shingi/2010/06/dl/s0602-3i.pdf)
通院を断念してしまう要因の一つが、通院が面倒であることです。通院の断念は禁煙が失敗する大きな要因の一つとなるため「治療の継続」が重要となります。
オンライン診療での禁煙外来は通院の面倒さはありませんので、通院を継続率の向上につながると期待されています。
通院の継続を向上される試みとして、2016年に新六本木クリニックの来田医師が遠隔診療を禁煙治療に導入し、治療の継続率の向上を目指しました。結果としては通常の対面診断では前述のように約半数の方が通院を断念したのに対し、治療を完遂できた割合は75%であったと報告していますので、スマホなどを使ったオンライン診療が有効であることがわかります。
通常の禁煙外来よりもオンライン診療で禁煙する方が、治療断念をする割合が相当低くなることが分かります。
注:オンライン診療の方が治療効果が高いことは国も認めています。
オンライン診療には通院の負担軽減の他にもこんな効果が!
日本呼吸器学会誌 7(suppl): 339-339, 2018において報告された内容によると、 年齢やニコチン依存度,呼気一酸化酸素濃度などは禁煙失敗の要因ではなく、禁煙を成功させるために重要なのは「支援者の存在」と報告しています。
つまり、オンライン診療が、いつでも相談できる身近な「支援者」となることで禁煙達成の成功率を上げることができるのではと期待されています。
オンライン診療での禁煙外来に興味がありましたら、当サイトで病院・クリニックを探すことができます。
基本的には1度も病院に行く必要がないので、近くに禁煙外来が無いという人もオンライン診療なら診察を受けることができます。
費用などは病院によって違いがありますし、結構変動しますので、そのときに安く治療を行っている禁煙外来の病院を探すとよいと思います。
まとめ
- 禁煙外来の禁煙成功率は、自力で禁煙するよりも成功率が高い
- 禁煙外来のデメリットは、2週間に1回を計5回通院しなければならない
- オンライン診療で禁煙外来を利用すれば、1度も病院に行く必要がない。
オンライン診療のデメリットは保険が適用されないため、料金は10割負担になってしまう。←2020年4月から保険適応の可能性!- 対面診療よりもオンライン診療の方が治療効果が高い可能性がある。