ピロリ菌という名前をきいたことはあるという人は多いと思いますが、詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか?知っていても胃潰瘍の原因になるくらいだと思います。
さらに自分はピロリ菌を持っているか気にしている人も少ないと思いますが、ぜひとも検査を行って、感染している場合は除菌を行うことをお勧めします。
この記事はこんな方にお勧めです。
✔胃炎があるけど、ピロリの検査をしたことがない
✔ピロリって胃がんになるって聞いたから、自分が感染しているなら除菌したい
✔除菌っていくらかかるのか知りたい。保険が適応される?
✔興味あるけど、病院に行っている時間が取れない
監修薬剤師
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目次・・・
どのような人はピロリ除菌をするべきか?
●上腹部に痛みや不快感がある(逆流性食道炎があると言われたなど)
●少量の食べ物で満腹を感じる
●空腹を感じない
●吐き気を感じることがある
●便が黒い
●疲れやすい
このような症状がある人は80%の方がピロリ菌に感染していると言われています。
注意
ピロリを除菌すると逆流性食道炎が悪化するとの記載を見たことがありますが、最新のエビデンス的には問題ないようですね。医師によっては逆流性食道炎がある患者にピロリの除菌をためらう人がいるようですが、その判断に根拠はありません。
✔また上記のような症状がなくても、以下のような人は検査をおすすめします。
●胃潰瘍に罹ったことがあるが除菌をしていない人
●胃がんになったことがある人
●長期間アスピリンを服用している人
これらの方は、ピロリ菌に感染している可能性が高いわけではないのですが、仮に感染している場合に重症化しやすいからです。
・鉄欠乏性貧血では小児例(18 歳以下)などにおいて除菌により貧血の改善を示したとの報告がある
・慢性蕁麻疹
日本ヘリコバクター学会が認定している認定医に診てもらうと安心かもしれません。認定医の検索方法はこちら→http://www.jshr.jp/medic/doctor/
症状がない人は除菌しなくてもよいか?
特に年齢でピロリの感染率の開きがあります。1950年より前に生まれた人は7割から8割の方が感染していると言われています。1950年~1960年に生まれた人は約45%くらいで、1960年以降に生まれた方では25%くらいがピロリに感染しています。
このように症状がなくても感染している可能性が年代に拠りますが相当高いので、検査することをおすすめします。
ただし、自覚症状がなくても内視鏡検査をしてみたら胃が荒れていると判断されることがありますので、初回の問診のときに「ピロリの感染を指摘された」などと言うと、保険で行われることが多いです。
検査をしたことがなく、病院に行く時間がない人には郵送検査キットがおすすめ
流れとしては、自宅で検査キットを使用して検体を採取し、それを検査会社に郵送すると1週間ほどで結果が送られてきます。
商品名
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ピロリ菌抗原定性検査
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ピロリ菌検査(抗体検査)
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販売会社
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郵送検査キットセンター
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Self Dock Club |
検体
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糞便
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尿
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価格
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2900円
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5510円
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おしっこはうんちよりも簡単に採取できる!
これらの検査キットの信頼性に違いがあるか?
✔尿を使った検査の信頼性→感度91 ~100%、特異度50 ~ 91%
Katsuragi K, Noda A, Tachikawa T, et al. Highly sensitive urine-based enzyme-linked immunosorbent assay for detection of antibody to Helicobacter pylori. Helicobacter 1998; 3: 289-295
✔糞便を使った検査の信頼性→感度96%、特異度97%
Gisbert JP, de la Morena F, Abraira V. Accuracy of monoclonal stool antigen test for the diagnosis of H.pylori infection: a systematic review and meta-analysis. Am J Gastroenterol 2006; 101: 1921-1930.
実は難しいピロリ菌検査結果の解釈
結果が陽性(ピロリ感染あり)と書いてあった場合
結果が陰性(ピロリ感染なし)だったら?
・胃潰瘍などの症状がある人
・1950年より前に生まれた人
・検査2週間以内に胃薬や抗生物質を飲んだ人
1950年より前に生まれた人が再検査したほうがいい理由
ピロリに感染している割合は生まれ年で異なる1950年より前の人で70-80%
1950年~1960年で45%
1960年~1970年で25%Gastroenterology. 1992 Mar;102(3):760-6.「Relationship of Helicobacter pylori to serum pepsinogens in an asymptomatic Japanese population.」
症状がある人が再検査をしたほうがいい理由
重要なことは、「胃炎の症状がある人」や「1950年より前に生まれた人」は検査結果が陰性だったとしても、別の検査方法でもう一度検査をすることをおすすめします。
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%
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感度
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96
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特異度
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97
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事前確率
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30
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事後確率(%)
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93.20388
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事後確率(%)
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1.736614
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%
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感度
|
96
|
特異度
|
97
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事前確率
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80
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事後確率(%)
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99.22481
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事後確率(%)
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14.15929
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胃薬を飲んでいる人は再検査したほうがいい理由
陽性だった場合はどうしたらどうしたらよいか?
病院にかかる際の注意点
ヘリコバクター・ピロリ感染症に係る検査については、以下に掲げる患者のうち、ヘリコバクター・ピロリ感染が疑われる患者に限り算定できる。
① 内視鏡検査又は造影検査において胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者
② 胃MALTリンパ腫の患者
③ 特発性血小板減少性紫斑病の患者
④ 早期胃癌に対する内視鏡的治療後の患者
・ピロリ菌に感染しているかどうかの診断(診察+検査+判断料+内視鏡) 26000円
・診察+薬代 15000円
・除菌後判定(診察+検査(尿素呼気試験)+判断料+説明)7000円
保険診療で除菌が行われた場合は、すべて込みで1万円くらいですので、3倍以上の費用が掛かるのがわかります。
自由診療での除菌費用を少しでも安くする方法は?
オンライン診療とピロリの除菌の関係は?
ここまで、一般的なピロリの除菌に関して記載してきましたが、ピロリ菌の除菌をしようとする方にとってオンライン診療はとても便利です。
実際、除菌をする過程で通常は最低「3回」は病院に行く必要があります。
最初に内視鏡の事前診察を行い、別の日に内視鏡検査の予約をして検査を実施し、半年ほど空けて除菌が成功しているか確認するといった過程をたどります。最後の除菌の確認で検査をするのですが、検査の種類によっては数日後に結果がわかるのもあり、その場合は4回病院に行かなくてはなりません。
2回目内視鏡の検査と除菌の確認の検査は実際に病院に行かなくてはなりませんが、1回目の事前診察と4回目の検査結果は口頭もしくは書面などで説明を受けるだけですので、実際はテレビ電話で行っても支障がないといえます。
つまり、オンライン診療を組み合わせることにより実際に病院に行かなくてはならない回数が半分に抑えることができる可能性がありますので、忙しい方はぜひ内視鏡検査の事前診察及び検査結果説明をオンラインを行っている病院・クリニックをトップページより探してみてください。