私は薬剤師としてドラッグストアで働いていたことがありますが、
「胃が持たれる」 「胃酸が出る」 「飲みすぎ食べ過ぎで胃薬が欲しい」等で相談をされることがあり、
そのような場合、適切なおくすりをおすすめしていました。
ですが、お客さんの多くは自分で何となく胃薬を選んでレジに持って行ったりします。
また、最近ではコンビニでも胃薬が売っていたりしますがコンビニには薬剤師がいないので、お客が自分で適当に選ぶわけですが、
そういう方がどういう胃薬を選んでいるか観察してみると、
「自分なら絶対選ばない薬を買っているなー」
て胃薬を選んでいることが多いですね。
しょうがないと言えばしょうがないのですが、
ドラッグストアで薬剤師に聞かずに自分で買っていく人は目立つ場所にある胃薬やCMで見たものを何となく買っているからです。
そして、そういう商品ってお店にとって利益率がいいものだったりしますので無駄に高かったります。
しかも、高いなりに効果もあればいいのですが、効果も低かったりします。
また、コンビニで買える胃薬も同様に値段はかなり高いですが、効果も低いものしかありません。
じゃーどうやって胃薬を選べばいいの?
と思いますよね?
胃薬の選び方は非常に単純で「効果が強い胃薬」を選べばよいわけです。
でも、胃薬をネットで検索すると、
「このような症状にはこの薬を選んでください」
みたいに色々と書いてあって、症状に合わせて薬を選ばなければならないんじゃない?
と言われますが、完全に間違いです。
胃薬を選ぶときは、原因・症状が「飲みすぎで胃がもたれる」でも「食べすぎで気持ち悪い」でも「ストレスで胃がキリキリする」でも症状の種類はなんでも選び方は同じです。
単純に効果が強いものを選べばいいのです。
じゃー効果が強い胃薬ってどれ?ってことで、臨床データをもとに効果が強い胃薬をランキング形式で紹介します。
この記事では、
〇 症状に応じて薬を選ばなくてよい理由
〇 効果の強い胃薬ランキング
〇 胃薬を飲んでも治らないときどうするか?
を解説していきます。
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✅ 医師からの薬の相談件数:年間約1,000件
✅ 当サイトで解説している市販薬の販売実績:2,700件以上
目次・・・
症状に応じて胃薬を選ばなくてよい理由
胃薬の種類は大きく分けて3つに分けられます。
それは、「胃酸を抑える薬」「胃の働き・動きを改善薬」「弱った胃を強くする薬」です。
ネット情報ではこれらの種類を「症状に応じて」使い分けるように書いてあったりします。
しかし、使い分けるという考えは間違いであることは臨床データで証明されています。
胃に関する色々な症状に対して、「胃酸を抑える薬」「胃の働き・動きを改善する薬」「弱った胃を強くする薬」の内どれが効果が強いか検証したデータがあります。
その結果はこのようになります。
参考:Sakuraiet al. BMC Gastroenterology2012,12:42
これを見ると、ほとんどの症状に対して「胃酸を抑える胃薬」を飲めば高い効果があるということです。
つまり、「胃薬選び」は「胃酸を抑える胃薬」を選ぶのがベストだということですし、逆に、「弱った胃を強くする胃薬」は買わないようにしましょう。ということです。
「胃酸を抑える胃薬」とか「弱った胃を強くする胃薬」って商品で言うとどれ?っていうのがわからないと思いますのでランキング形式で紹介します。
効果の強い胃薬ランキング
では、上で紹介した臨床データをもとに市販の胃薬をランキングにして紹介します。
1位 胃酸を抑える胃薬
胃もたれなどの色々な症状に対して高い効果があるのが「胃酸を抑える胃薬」であることを解説しました。
では、「胃酸を抑える胃薬」はどれかというと、「H2ブロッカー」と呼ばれる胃薬です。
「H2ブロッカー」と聞いてもピンとこない人もいるかもしれませんが、「ガスター」という商品が有名です。
ちなみにH2ブロッカーはコンビニでは買えません。ドラッグストアかアマゾンなどの通販のみとなっていますので注意してください
市販されているH2ブロッカーは現在14種類ほどありますが、その中で送料込みで最も安いのがこちらになります。
こちらは1回1錠あたり50円ほどの計算となり、かなりお得です。
例えばコンビニでも買える胃薬で「ソルマック」や「液キャベ」が有名ですが、こちらは1回分で300円ほどします。
高いですし、なんと言っても効果は「H2ブロッカー」よりも断然弱いです。(ソルマックは漢方が主成分です)
2位 胃の働き・動きを改善する薬
「胃の働き・動きを改善する薬」は実はドラッグストアなどでは販売されておらず、小林製薬で「イラクナ(成分:イトプリド)」という商品の販売予定となっているのみです。
たたし、効果に関しては1位のH2ブロッカーよりも弱いのでそもそもあまりお勧めではありません。
3位 弱った胃を強くする薬
弱った胃を強くする胃薬は、たくさん販売されています。
弱った胃を強くすると聞くとなんとなく良さそうな感じがしますが、これまでに解説したように効果は弱いです。
市販されている「弱った胃を強くする薬」の成分毎の商品一覧はこちらになりますが、ここに入っている胃薬はあまりおすすめではないと言う意味で挙げさせてもらいました。
番外編 漢方薬
漢方って体に優しそうであえて選ぶ人も多いかと思います。
胃もたれなどで飲む漢方が実はかなり販売されています。
代表的なもので言うと、これらが有名です。
ですが、臨床データがしっかりあるものもあればそうでないものもあります。
また、漢方は症状に応じて使い分けをすることで効果を発揮します。
ですので詳しことは別の記事で解説しますが、胃痛や胃もたれなどには、漢方の中で選ぶなら「六君子湯(りっくんしとう)」という漢方が効果が証明されているのでおすすめです。
参考:日気食会報、60(5),2009
六君子湯は知名度はないですが、漢方の中から選ぶならこれが最も効果が認められているのでおすすめです。
胃薬を飲んでも治らないときどうするか?
食べ過ぎや飲みすぎでしたら、胃薬で治る人もいると思いますが、なぜか胃薬を飲んでも全然治らない人もいるかと思います。
かといって病院に行くかどうかも悩むますよね?
病院に行くかどうかの判断基準がありますので紹介します。
1:ピロリ菌の検査で陽性だったら場合
ピロリ菌とは胃炎だけでなく胃がんの原因にもなる菌です。
この菌に感染しているかは検査しないとわからないのですが、今は自宅で簡単にピロリ菌検査が可能です。
別の記事でおすすめのピロリ菌検査キットを解説していますので、胃炎がどうしも治らない人は試してみてください。
そして、この検査でピロリ菌に感染しているとわかったら病院で薬をもらいましょう。
※ピロリ菌の除菌は病院で処方される薬でしかできません。
2:病院の受診が必須の症状 6選!
仮にピロリ菌に感染していなかったとしても、「病院に受診したほうがよい胃炎の症状」と言うのが知られています。
これらは「警告兆候」と言われるものですので、自分が当てはまると思ったらぜひ病院を受診してください。
まとめ
- 胃の様々な症状に対して最も効果が強いのはH2ブロッカーである
- 症状ごとに胃薬を使い分ける必要はなくH2ブロッカーを飲むのが効果が高い
- 胃薬を飲んでも治らないときは「ピロリの感染がないか」と「警告兆候がないか」をチェックしてから病院に行くか判断する。