ある調査会社が「花粉症の時期に対策する際にどの花粉症対策にもっともお金を使うか」という調査を行った結果、
1位:マスク(50.9%)
2位:病院での治療(36.8%)
3位:目薬(35.7%)
参考:マクロミルの調査結果より
3位が目薬ということですので、「目薬」で花粉症対策をしている人多いようですが「点鼻薬」を使っている人は少ないようです。
あまり知られていませんが、基本的に花粉症は「飲み薬」と「目薬」と「点鼻薬」を症状に合わせて使い分ける必要があります。
花粉症の治療の基本はあくまで飲み薬ですが、補助的に目薬や点鼻薬を使用することで眠気の副作用を軽減できます。
ですので、飲み薬で花粉症が抑えられない人にとっておすすめの市販されている目薬と点鼻薬のおすすめについて解説します。
監修薬剤師
✅ 日本で約50人しかいない最難関の指導薬剤師に最速で認定
✅ 医師からの薬の相談件数:年間約1,000件
✅ 当サイトで解説している市販薬の販売実績:2,700件以上
目次・・・
市販の目薬で花粉症に効果がもっとも強いのは?
花粉症用の目薬でもっとも効果が強いものは「ケトチフェン」という成分の目薬の一択です。
市販の目薬の成分は大きくわけて以下の2種類があります。
ケトチフェン クロルフェニラミン
この2種類は抗ヒスタミン薬と言われていているものですが、どちらが効果が強いかというと、「ケトチフェン」の方が強いと証明されています。
ケトチフェンの方がクロルフェニラミンよりヒスタミンの効果を抑える効果が強い
参考:Clinical Trial . 1983 Mar;15(3):277-86. doi: 10.1111/j.1365-2125.
市販されている「ケトチフェン」の入った目薬の種類は?
2021年2月時点で「ケトチフェン」の点眼薬は3種類販売されています。
この中で選べば、効果は同じですので、安いものを選ぶことをおすすめします。
2021時点でもっとも安いのはアイリスAGガードです。
花粉症の時期に薬を飲んでいるのに、目のかゆみが我慢できない人は飲んでいる飲み薬が弱い可能性があります。よって、そのような人は飲み薬をもっと強いものにするか、目薬を追加するのどちらかをすることをおすすめします。
花粉症の飲み薬の選び方はこちらを参考にしてください
点鼻薬の選び方!花粉症の飲み薬でも鼻水や鼻づまりなどが抑えられない場合は、「フルチカゾン」という成分の点鼻薬も使用する!
2019/11/1にフルチカゾンプロピオン酸エステルを「フルナーゼ」という点鼻薬が販売されました!
市販されている点鼻薬の中で臨床データ上、効果が高く副作用リスクが低いものは、「フルチカゾン」といういわゆる「ステロイド」と言われる成分の商品です。
花粉症に点鼻薬を使う場合はステロイドの点鼻薬が有効です
研究データでも花粉症で特に鼻水・鼻詰まりのひどい方に使用することがすすめられています。
鼻噴霧用ステロイドの推奨の強さはA
※鼻アレルギー診療ガイドライン―通年性鼻炎と花粉症」(第1版)より
※実は販売されているほとんどに点鼻薬の作用は「抗ヒスタミン作用」というアレグラなどの内服薬と同じ原理なので、アレグラなどの内服薬を飲んでいる人は「抗ヒスタミン作用の点鼻薬」を使用しても花粉症の症状を抑えられません。
抗ヒスタミン作用のある点鼻薬はステロイド点鼻液よりも効果が弱い
Ann Allergy Asthma Immunol. 2002 Nov;89(5):479-84.
ステロイド点鼻薬の中でもどれを買うか迷っている人は「フルチカゾンを成分とする点鼻薬フルナーゼ」がおすすめです。
なぜなら、これまで販売されていた点鼻薬の成分(ベクロメタゾン)は「第1世代」に分類されるのですが、今回販売されるフルチカゾンは第2世代となり副作用のリスクがかなり軽減されています。
第2世代は第1世代の成分をさらに改良し、さらに副作用が出にくくなるように開発されたものです。参照:Derendorf H, Meltzer EO. Molecular and clinical pharmacology of intranasal corticosteroids: clinical and therapeutic implications. Allergy 2008; 63:1292.
ただし、フルナーゼはアマゾンなどの通販では購入できません(2019年11月時点)ので少し不便ですが「マツキヨ通販」から通販で購入が可能です。
花粉症の「飲み薬」に関しては別の記事で紹介した「セチリジン」などの抗ヒスタミン薬を服用することで、かなり症状は抑えられると思います。
しかし、それでも花粉症で鼻症状がつらいという方は、点鼻薬も併用しましょう。
点鼻薬も様々な商品が販売されており、どれを選んでいいかわからないと思いますが、フルナーゼが販売されたので一択となります。
ただし、長期で使用しないなら「ベクロメタゾン」の点鼻薬でも問題ないので安いしおすすめです!
ベクロメタゾンというステロイドは花粉症に点鼻として使用するだけなら安全性に問題ないことがわかっています。
ステロイドと聞くと不安に思う方もいますが、この薬は点鼻薬なので、内服する薬を違い、鼻の中に薬が留まるので、全身作用は少なく使用も花粉症は短期間ですので副作用はほとんどありません。
点鼻薬は全身への吸収率が低いので長期使用の懸念は低い
With nasal sprays, the risk of these long-term complications appears to be small because of the relatively low doses involved
参照:UPTODATE
ちなみにベクロメタゾンを成分とする製品は以下のものとなります。
商品名 | 製造販売元 | 規制区分 | 成分 | 備考 |
エージーアレルカットEXc〈季節性アレルギー専用〉 | 第一三共ヘルスケア | 第2類医薬品 | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル 0.1g | |
コンタック鼻炎スプレー〈季節性アレルギー専用〉 | グラクソ・スミスクライン | 第2類医薬品 | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル 0.05g | |
ナザールAR〈季節性アレルギー専用〉 | 佐藤製薬 | 第2類医薬品 | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル 0.05g | |
ナザールαAR0.1%〈季節性アレルギー専用〉 | 佐藤製薬 | 第2類医薬品 | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル 0.1g | |
ナザールαAR〈季節性アレルギー専用〉 | 佐藤製薬 | 第2類医薬品 | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル 0.05g | |
パブロン鼻炎アタック〈季節性アレルギー専用〉 | 大正製薬 | 第2類医薬品 | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル 0.1g | |
パブロン鼻炎アタックJL〈季節性アレルギー専用〉 | 大正製薬 | 第2類医薬品 | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル 0.1g | 薬液が炎症患部でジェル化するので液だれしにく |
ロート アルガード クリアノーズ〈季節性アレルギー専用〉 | ロート製薬 | 要指導医薬品 | フルニソリド |
この中でおすすめなのが「パブロン鼻炎アタックJL〈季節性アレルギー専用〉」です。
最も安いのが、当サイト調べた限りではこちらの商品です。
他の商品と比べてこの商品がおすすめの理由はこちらです。
✔ベクロメタゾンが医療用と同じ0.1g含まれるものを選ぶ
✔パブロン鼻アタックJLはジェル状なので患部に留まる
✔ロート アルガード クリアノーズという商品が最近販売されたが、ベクロメタゾンより効果が高いわけではなく、さらに通販で購入することが現時点でできない(2019年3月時点)
まとめ
- 花粉症による目のかゆみがひどい人は「ケトチフェン」という成分の目薬をおすすめします。
- 鼻水や鼻詰まりがひどい人はステロイド点鼻薬を使うのが効果的で、とくに「フルナーゼ」という点鼻薬が副作用が少なくおすすめです。