薬剤師の就職先は色々と選択肢がありますが、その中で病院薬剤師は「給料が安い」「仕事がキツイ」というった理由から避けられがちです。
特に大学病院の薬剤師は新卒の給料は350万-400万程度と仕事がキツイ割りに給料は安いです。
ですが、給料が安くても高度で最新の医療を学べて、認定・専門薬剤師を取得できるなどキャリアアップにつながるというメリットもあることから、就職する人は結構います。
ですが、専門薬剤師を持っていると具体的にどういうキャリアアップができるの?
と思いませんか?
そもそも、本当に病院薬剤師になってその後に製薬企業に転職するって体験談ってあまり聞いたことがないのではないでしょうか?
そこで、私の経験に基づいて、新卒で大学病院に入ってキャリアを積み専門薬剤師を取得すると、その後、転職する時に自分の価値がどれくらい高くなっているか?について紹介します。
目次・・・
筆者の経歴は以下の通りです
大学院を卒業後、新卒で大学病院に就職。そこで、論文を書いたり、専門薬剤師を取得したりと、大学病院の薬剤師としては平均的な仕事をしてきました。
そして、大学病院で働いて13年目にして転職を考えるようになりました。
そして、せっかく大学病院で色々学んだので、どうせなら給料は今よりアップしたいとは思っていました。
そこで、「給料が高いと言われている製薬企業」に的を絞って転職活動をしましたが、その外資系製薬企業の学術部門の内定をもらうことができました。
業務内容はMSLではなく、内勤業務でした。具体的にはエビデンスの検索やFAQの作成、医療従事者からの問い合わせの2次対応等です。
ちなみにその外資系製薬企業の具体的な企業名は伏せますが、医薬品の売り上げ規模は世界トップ3に入っている企業です。
参考:【面接の質問と回答を公開】最大手外資系製薬企業のメディカルアフェアーズ部門から900万円でオファーをもらう方法とは?
転職によって、給料はどれくらい上がったかを見てみましょう
新卒で大学病院に入り、13年間大学病院で様々な最新の医療を学んだ結果、世界トップクラスの製薬企業に内定をもらうことができました。
一応、証拠として、その時に提示された「内定通知書」の給与の一部を載せておきます。
英語で色々書いてあってわかりにくいと思います。
内定の際に提示された給料をその当時、わかりやすく当時の病院の給料を比較してまとめますとこのようになります。
病院の給料 | 企業の給料 | |
基本給(月) | 33万円 | 53万円 |
残業手当て(月) | 6万円(1か月:20-30時間) | 0円(残業が発生しないため) |
住宅手当て(月) | 2万円 | 16万円 |
夜勤・休日出勤手当(月) | 2万円 | 0円(夜勤・休日出勤なしのため) |
ボーナス(年) | 150万円 | 64万円 |
年収(手当て込み) | 650万円 | 900万円 |
見てわかりますように年収はかなり上がりました。
さらに、製薬企業は夜勤や休日出勤がないので、「体力的なキツさ」も軽減されてます。
このように、大学病院でしっかりキャリアを積むことで転職で給与アップにつながることが実証することができました。
大学病院の薬剤師でないとキャリアアップはできない?
今回紹介した私のキャリアアップは「製薬企業への転職」です。
病院薬剤師から製薬企業への転職は一般的にはハードルは高いのです。しかし、大学病院や大病院で経験を積むことで製薬企業への転職可能だと思います。
また、中小規模の一般病院の薬剤師も、専門薬剤師は取得できますので製薬企業へ転職は可能だとは思いますが、取得のしやすさでは大学病院には劣ると思います。
理由としては、大学病院はまわりの薬剤師のやる気は高く、知識やノウハウが蓄積されているので論文や症例は書きやすい環境にあるのは間違いないです。病院などの大病院で薬剤師をやるほうが有利になるはずです。
よって、製薬企業へのキャリアアップを視野に入れるのであれば、就職先は大学病院(もしくは大病院)に就職することをおすすめします。