花粉症は治るような病気ではなく一生付き合っていかなければならないものです。ですので、毎年花粉の時期になれば花粉症薬を毎年毎年飲み続けなければなりません。
一生飲み続ける必要があるということで気を付けなければならないことは
薬がだんだん効きにくくなる
ということです。
薬が効かなくなれば、今飲んでいるものよりも効き目が強い薬に変更しなければなりません。
病院で薬をもらっている人なら医者が判断してくれますが、ドラッグストアやネットで市販薬を自分で買っている人は自分で判断して強い薬に変更しなければなりません。
多くの人はどれがいいかよくわからないのではないでしょうか?
実は、市販の花粉症薬の強さは、50歩100歩でほとんど差がありません。
差がないと言われたら、どうやって選べばいいのって思いますよね?
ここでは、臨床データを寄せ集めて
強いて言うなら花粉症の効果の強さランキングはこんな感じになるだろう
っランキングを作ってみました。
注意:このランキングは論文を参考にして作成してますが、論文によっては結果が異なり議論の余地があります。あくまで参考程度にみていただければと思います。
効果が強い花粉症薬を選ぶ時に参考にして下さい。
監修薬剤師
✅ 日本で約50人しかいない最難関の指導薬剤師に最速で認定
✅ 医師からの薬の相談件数:年間約1,000件
✅ 当サイトで解説している市販薬の販売実績:2,700件以上
目次・・・
1位:セチリジンという成分
セチリジンは花粉症を抑える強さとしてはかなり強いものになります。
花粉症と同じヒスタミンの遊離により引き起こされる蕁麻疹で強さを検証した結果、現在販売されている市販薬の中では花粉症を抑える効果が最も高い
Clin Exp Dermatol. 2004 Sep;29(5):526-32.
市販薬の花粉症の薬でこれ以上効果が強い花粉症薬はありません。
これが効かないときは病院に行って診察を受けて市販されていない花粉症薬に代える必要があります。
病院で処方される花粉症の薬の中で、最強に部類される オロパタジン(商品名:アレロック) という成分がありますが、セチリジンは、それに次ぐ効き目の強さとなります。
2023年3月時点でセチリジンが入った商品はこの3つです。
ストナリニ Z
ストナリニ Zジェル
この3つの商品は効果に差はありませんので、価格で安いものを買うのがいいのではないかと思います。
この中でもっとも安いのはコンタック鼻炎Zです。
2位 エバスチン=ケトチフェン=エピナスチン=フェキソフェナジン=ロラタジンの5成分は効果に差がない!
この5つの成分はどれが強いなどを示した臨床データがなく、どうしても明確な「差」を見つけることができませんでした。
エバスチンとロラタジンは同等 医学と薬学 62(6): 1009-1021, 2009.
ケトチフェンとロラタジンは同等 臨床医薬 23(11): 965-990, 2007.
エピナスチンとエバスチンは同等 Allergy. 1999 Jul;54(7):700-7. doi: 10.1034
ケトチフェンとフェキソフェナジンは同等 耳鼻咽頭科臨床,100(2)補冊(119),1,2007
人によってはフェキソフェナジンが効くという人もいればロラタジンが効くという人もいると思います。
この5成分はほとんど差なし!
この中でどれを選ぶかですが、おすすめは眠気が最も起こりにくいと報告されている「フェキソフェナジン」という成分がおすすめです。
抗ヒスタミン薬の脳内H1受容体占有率はアレグラがもっとも低い
小児科48(10):1435,2007.
フェキソフェナジンを含む市販の花粉症薬で安いのはこれ↓
ちなみに逆に最も眠くなる花粉症薬は「ケトチフェン」という成分です。
ケトチフェンを含む代表的な市販の花粉症薬はこれ↓
これを飲んでいる人で眠気がつらいなーって人はアレグラなどフェキソフェナジンという成分のものに代えてみてください。
ロラタジン(商品名:クラリチン)よりも効果が強い花粉症薬は?
7位 クロルフェニラミン
この成分を含んだ花粉症薬はたくさんあります。
例えば、
この成分が入った花粉症薬は、効果が弱いだけでなく、副作用がかなり強いです。
これを飲んでいる人はわかると思いますが、かなり眠くなります。
意識が朦朧として集中力や記憶力が低下しているのが実感できるのではないでしょうか?
また、人によっては口が乾いて、ひどいと喉が痛くなり風邪を引きやすくなります。
花粉症の症状はあまり収まらないのに、眠気と口の渇きかひどくなるので個人的にはおすすめしません。
メリットを強いて挙げるなら値段は安いくらいですが、基本的にはあまりおすすめではありません。
花粉症が鼻症状の人は点鼻薬を使うべし!
花粉症の症状で鼻水や鼻づまりや鼻のムズムズなど言わゆる「鼻炎症状」だけなのにこれまでに紹介した花粉症薬を「飲んで」ませんか?
花粉症薬は「飲み薬」だけでなく、「目薬」や「点鼻薬」もあります。
点鼻薬とは
こんな感じの容器に入っていて、
こんな感じで鼻に噴霧する薬です。
目薬と点鼻薬の選び方については別の記事で詳しく説明しています。
花粉症の症状で鼻炎症状だけの人は飲み薬よりも点鼻薬のほうが効き目が強いことが証明されています。
大前提として、花粉症で鼻症状のみの人は薬(アレグラ等)を「飲む」よりも、点鼻薬を鼻に「点鼻する」が効果は強い。
点鼻ってあまいやったことがないからハードルが高いと思う人も多いと思いますが、飲み薬は眠くなりますので仕事のパフォーマンスや勉強の効率が確実に下がります。
一方で点鼻薬は一切眠くなりませんので、受験生でテストがある人や仕事で集中しなければならない人は絶対に試して欲しいです。
注:目のかゆみもあるという人は残念ながら飲み薬で症状を押さえなければなりません。
もしも花粉症の症状が「鼻症状」だけなら、点鼻薬は眠気などの副作用がないので点鼻薬を使うことをおすすめします。
まとめ
- 市販の花粉症で最も強いのはセチリジンという成分の入ったもの
- その他の花粉症薬の効果がどれもほとんど変わらない。
- クロルフェニラミンという成分は副作用が強く出るためおすすめしない
- フェキソフェナジン(アレグラ)が眠気の副作用は一番少ない
- 鼻症状しかないなら点鼻の花粉症薬を試すことをおすすめ
この記事では、効き目という一点に絞って調査しました。
ですが、薬を使うときは副作用の出やすさも考えていかなければなりません。
別の記事で、効き目と副作用を天秤にかけてどう花粉症薬を選ぶかまとめました。少し難しいですが、その分、臨床データに基づいた記事になっているので、興味があったら読んでみて下さい。