「セフトリアキソン」と「フィジオ」は配合変化を起こす?側管から投与できる?


薬剤が追加になったけどルートがこれ以上取れない」「この薬って側管投与できたかな?

病棟で問題となりそうな配合変化や覚えておいた方がよい薬剤の配合の組み合わせをクイズ形式でお届けします。

この記事では「医療薬学会薬物療法専門薬剤師」の監修の上で作成されております。

「セフトリアキソン」と「フィジオ35」は配合変化を起こす?側管から投与できる?

正解は

「セフトリアキソン」は第3世代のセファロスポリン系抗菌薬で半減期が長いことから1日1回での投与が認められおり、入院や外来での感染症に使用されます。

ですが、アメリカにおいてセフトリアキソンが関連していると考えられる新生児の死亡が報告されています。死亡例5例の内4例がカルシウムが含まれた輸液が同じ点滴ラインから投与されており、残り1例は別の点滴ラインから投与されていたことがわかりました

この事故を詳しく調べると肺や腎臓にセフトリアキソン由来の沈殿物が沈着してしたとのことです。

この報告を受けて、日本のセフトリアキソンの添付文書が下記のように改訂されています。

セフトリアキソンはカルシウムを含む注射薬と同時に投与しないこと。

セフトリアキソン添付文書より(一部改変)

このような事故は新生児にのみ報告されていて、成人では報告がないですが、理論上成人で起こってもおかしくはないと考えられます。

カルシウムを含む輸液はたくさん販売されておりますので、セフトリアキソンを投与するときは同時に使用されている輸液にカルシウムが入っていないか調べることをおススメします

カルシウムを含む輸液の一例
フィジオ35、トリフリード、アミノフリード、ビーフリード、ラクテック、フィジオ140、ヴィーンD、高カロリー輸液など

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