【オンライン診療を検討している医療機関向け】オンライン診療の始めるために何が必要か?

平成30年4月の診療報酬改定に伴い、「オンライン診療」を保険診療で行うことが認められました。

平成30年12月時点で厚生局へオンライン診療料を届出て認可されている病院・クリニックは「1131か所」の医療機関となっています。平成29年10月1日時点での、全国の医療機関の数は厚労省の統計から「178492か所」の医療機関ですので、オンライン診療を導入している割合は0.6%となっており、オンライン診療を行っている施設は相当少ないと言えます。

このように全国の医療機関で導入が進まないのは、

「初診では算定不可で、さらに初診から6カ月経過した患者である必要がある。さらに、連続して算定できるのは2カ月限度をしているため3か月に1度は対面診察を行わなければならない。また、オンライン診療を行っている患者の割合が再診患者の内1割以下しなければならない」

などの厳しい条件が原因と考えられます。

今後のオンライン診療の普及の見通し

未来投資会議(2017年4月14日)の議論においてオンライン診療が議題となり、「骨太方針2017」、「未来投資戦略2017」に位置付けられています。今後、 オンライン診療に関する調査・検証、エビデンスの収集が進めば、規制緩和に進む可能性があり、オンライン診療を導入する医療施設が増えると考えられます。

オンライン診療を自施設で導入する上で2つの必要なもの

それは、「スマホやタブレットを用いてテレビ電話ができる設備」と「患者が来院せずに料金を支払えるシステム」の2つです。

テレビ電話について

保険算定する上で厚生局への届け出が必要になりますが、施設基準の一つとして「厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針に沿って診療を 行う体制」が整っている必要があります。

ここでの情報通信機器とは?

2018年12月に出された「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に関するQ&A」には

本指針において対面診療の代替として認められているオンライン診療は、「リアルタイムの視覚及び聴覚の情報を含む情報通信手段」

とありますので、基本的にはテレビ電話のような映像で相互に確認できるものを想定しており、文面だけのやりとりしかできない「メール」や「チャット」は不可となっています。

最近はSkypeやLINEなどの無料でテレビ電話ができるのもが普及していますし、他にもオンライン診療システムを専門で運用している企業が予約・テレビ電話システムでの診療・処方や薬の配送・クレジットカードでの決済までを一括で行えるプラットフォームが提供されていますので、このシステムを導入するのも一つの手段となっています。
それぞれのメリットとデメリットを勘案してそれぞれの施設にあったシステムを選ぶ必要があります。

それぞれのメリット・デメリットを簡単にまとめます。

オンライン診療システム 無料通話アプリ
メリット ・予約、診療、配送、支払いは一つで完結する
・カルテやほかの医療機器と連動させることができるものもある
・無料
・導入が簡単
・患者にも浸透しているシステムなので操作に戸惑うことが少ない
デメリット ・導入費用、固定費用が掛かる(curon,Meditelなど無料のものもある)
・患者は専用のアプリをダウンロードしなくてはならない
・予約システムや配送・支払いのシステムを別で導入する必要がある

オンライン支払いシステムについて

オンライン診療を行った場合の診察料・処方料・薬剤料などの支払いは、来院せずに完了できる手段を確保しなくてはなりません。最近はネット通販の普及により、オンライン上で決済できる手段が増えております。

平成27年の総務省による「通信利用動向調査」によると、インターネットでの決済方法で何も使うかという調査で69.2%がクレジットカードを使用すると回答しています。そのほかに代金引換が39.0%、コンビニエンスストアで支払うと答えた方が36.1%となっております。この調査はあくまでネット通販の支払い方法の調査になりますが、オンライン診療を行った場合の病院への支払い方法もこれらの手段で支払いができることが望まれると推測できます。


ですので、患者の支払いをスムーズにするためにはクレジットカード・代金引換・コンビニでの支払いなどを導入し、クレジットカードを持っていない方やコンビニが近くにない方のために、 銀行振り込みや郵貯振り込み、次回の診察時の支払いもOKにすれば、ほとんどの方がストレスなく支払いできるようになります。
また、前述したオンライン診療システムのプラットフォームを導入すれば支払いのシステムを別で導入する必要はありませんので、こちらもメリットとデメリットを比べて導入を検討してください。

オンライン診療システム クレジットカード 代金引換 コンビニ払い 銀行振込
メリット ・予約、診療、配送、支払いは一つで完結する ・入金を待つ必要がなく、振込着金までの待ち時間が短縮できる ・支払いを確認する前に薬や処方せんを発送できる
・確実に代金を回収できる
・振込の確認はコンビニ収納代行会社から連絡があるため、確認作業が不要
・カードを利用したくない患者にも受け入れてもらえる
・24時間振り込みが可能
・高齢者の患者にも受け入れられやすい
・病院側に手数料が発生しない
デメリット ・導入費用、固定費用が掛かる(curon,Meditelなど無料のものもある)
・病院側に決済手数料がかかる
・未成年や年配者など、カードを持っていない人がいる
・病院側に決済手数料がかかる
・患者が留守の場合は受け取れない
・代引き手数料が患者に発生
・コンビニが近くにない患者には利用できない
・入金確定日に誤差がある
・手数料が発生
・患者側に振込手数料が発生することがある(銀行による)

おすすめ

オンライン診療を開始するにあたり、システム上必要なものは「テレビ電話」と「来院しなくても完結する支払い方法」を導入することです。

現在オンライン診療を行っている医療施設ではどのようなシステムで運用しているか調査したところ、平成30年12月時点でオンライン診療料を届け出ている医療機関は1131か所あり、そのうち376か所の医療機関でオンライン診療システムのプラットーフォーム(ポケットドクター、curon、clinicsを調査)を導入しています
つまり、オンライン診療料を届出ている医療機関の内、33%ほどしかオンライン診療独自のシステムを導入しておらず他の約67%はSkypeなどのテレビ電話を用いていると推測されます。

病院独自のホームページなどで予約フォームを作成して運用していたり、クレジットカードの支払いシステムをすでに導入している医療機関が多いので、そういった病院・クリニックでは、あえてオンライン診療システムのプラットフォームを導入するメリットは少ないことから、このような数字になると推測されます。

各システムはコスト・機能の点で特徴が異なりますので、どのシステムを選択するかは各医療機関がどのような疾患をオンラインで診察するかなどの要因により決定する必要がありますが、オンライン診療をまず始めようと考えたら、
最初は導入費用・固定費のかからない「curon」もしくは「MediTel」を検討することをおすすめします。

この2つのシステムは導入費用・固定費がかからず、オンライン診療を行った患者の支払い額の4%(クレジット支払い手数料)以外は病院の支払いが発生しませんので、仮にオンライン診療を導入はしたけど、使わない場合に固定費を払う必要がないというのは一番の理由です

これらのシステムを導入してオンライン診療の患者が増えてきてから、患者の支払い方法のバリエーションを検討しても遅くはないと思います。

 

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監修薬剤師プロフィール

大学病院の専門薬剤師

【経歴】外資系製薬の学術からオファーの経験を持ちTOEIC815を有する専門薬剤師。

▶オンライン診療やドラッグストアで売っている薬で病気が治せたらいいなと思い、当サイトを立ち上げ。

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