「薬剤が追加になったけどルートがこれ以上取れない」「この薬って側管投与できたかな?」
病棟で問題となりそうな配合変化や覚えておいた方がよい薬剤の配合の組み合わせをクイズ形式でお届けします。
この記事では「医療薬学会薬物療法専門薬剤師」の監修の上で作成されております。
「フェニトイン」と「5%ブドウ糖液」は配合変化を起こす?側管から投与できる?
正解は
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「フェニトイン(商品名:アレビアチン)」はpH=約12のアルカリの薬で、pHが10.7よりも低くなると、結晶ができやすくなるという特徴があります。
5%ブドウ糖液は注射剤の溶解液や希釈液によく使用されますが、pH=3.5-6.5と実は「弱酸性」となっています。
そのため、弱酸性の5%ブドウ糖液とアルカリ性のフェニトインが混ざることで結晶ができてしまうことが知られています。
また、フェニトイン(アレビアチン)の添付文書にも下記のように注意の記載がされています。
本剤は強アルカリ性であるため、他剤とは配合できない。また、pHが低下するとフェニトインの結晶が析出する。
セフトリアキソン添付文書より(一部改変)
では、フェニトインを希釈したり、側管から投与する場合は何が良いかと言うと「生理食塩液」が安全です。
理由はフェニトインを生食100mLに希釈したときの「pHは約11」のためフェニトインの結晶ができやすいpH10.8よりも高いpHを維持できるからです。
実際はフェニトインを側管から投与することができる輸液はいくつかありますので、pHをチェックしたり配合変化データを調べて投与できるかどうか確認することをおすすめします。
※配合変化の薬の組み合わせは膨大なので、覚えるのは難しいです。当サイトでは簡単に配合変化データを調べられるデータベースを公開していますので、配合変化について疑問に思ったらこちらで調べてみてください↓