「薬剤が追加になったけどルートがこれ以上取れない」「この薬って側管投与できたかな?」
病棟で問題となりそうな配合変化や覚えておいた方がよい薬剤の配合の組み合わせをクイズ形式でお届けします。
この記事では「医療薬学会薬物療法専門薬剤師」の監修の上で作成されております。
「ロピオン」と「生理食塩液」は配合変化を起こす?希釈して投与できる?
正解は
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「ロピオン」は脂肪乳剤に溶解した乳濁性の注射薬です。
脂肪乳剤は微粒子を均質に分散させている製剤ですが、様々な要因で微粒子の分散が不安定化し、分離したりすることが知られているので注意が必要です。
ロピオンに関しては製薬メーカーが多くの薬剤・輸液との配合変化試験を実施しており、生食との配合において、pH、粒子径、含量、外観の変化は24時間認められないとの結果が出ている。(ロピオン配合変化試験成績 第16版)
しかし、温度条件によっては12時間かけて経時的にロピオンの粒子径の増大が認められたとの報告があります。
ロピオンと生理食塩液との配合では33℃保存条件下では粒子の粗大化がみられた
外科と代謝・栄養51巻2号 2017年4月より
さらに、生食では配合変化が見られますが、5%ブドウ糖液で希釈した場合はこの配合変化は起きなかったとのことですので。
安全に投与するなら5%ブドウ糖で希釈するのが無難ですが、生食で希釈しても温度条件によっては問題ない場合もありますので注意が必要です。
※配合変化の薬の組み合わせは膨大なので、覚えるのは難しいです。当サイトでは簡単に配合変化データを調べられるデータベースを公開していますので、配合変化について疑問に思ったらこちらで調べてみてください↓