「薬剤が追加になったけどルートがこれ以上取れない」「この薬って側管投与できたかな?」
病棟で問題となりそうな配合変化や覚えておいた方がよい薬剤の配合の組み合わせをクイズ形式でお届けします。
この記事では「医療薬学会薬物療法専門薬剤師」の監修の上で作成されております。
「フロセミド」と「メトクロプラミド」は配合変化を起こす?側管から投与できる?
正解は
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「フロセミド」は高血圧症・うっ血性心不全などに使用される利尿剤です。
また、フロセミドは配合変化を起こしやすく、特にpHの影響を受けて白濁をすることが知られています。
フロセミド pH変動試験の結果
ラシックス注 インタビューフォームより
6.32(白濁沈殿) ← 試料pH:9.11 → 13.0(変化なし)
このようにフロセミドは元々はアルカリ性(pH:9.11)の薬剤で、酸性に変動することで白濁を起こすことが知られています。
今回の問題は「メトクロプラミド」との配合変化ですが、メトクロプラミドのpHを調べてみると「pH:3.50」となっており、かなりの酸性であり、フロセミドとは逆にアルカリ性に変動することで白濁を起こすことが知られています。
メトクロプラミド pH変動試験の結果
プリンペラン注 インタビューフォームより
1.10(変化なし) ← 試料pH:3.50 → 8.30(白濁)
つまり、「メトクロプラミド」と「フロセミド」を配合すると、かなり高い確率で白濁すると考えられます。
(厳密には配合量によってはpHが6.32~8.30になれば白濁しない可能性は残ってます)
pHの影響を受けて白濁などの配合変化を起こす薬剤はいくつか知られていますので、これらの薬剤を使用するときは注意することをおすすめします。
※配合変化の薬の組み合わせは膨大なので、覚えるのは難しいです。当サイトでは簡単に配合変化データを調べられるデータベースを公開していますので、配合変化について疑問に思ったらこちらで調べてみてください↓