平成30年12月26日に遠隔診療(保険診療の枠組みとしてはオンライン診療とここでは表現している)を行う上での手引書「遠隔精神科医療手引書策定タスクフォース」が公開されました。※原本はウェブで公開されており、 慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室よりダウンロードが可能となっています。
遠隔診療に適した疾患はいくつかありますが、その中でもオンラインで行うことのニーズが高い精神科領域に特化したものとなっています。
この手引きの特徴をまとめますと
・オンライン診療の手引きとしては日本初
・慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室専任講師の岸本泰士郎氏が総括し、 医師、法律・家、技術専門家の意見を元に作成されたため、オンライン診療を行う上で医療の質を担保するための具体的な方法論が記載されている、法律や通信技術の観点からも具体的なノウハウは書いてある
・オンライン診療の先進国であるアメリカの米国遠隔医療学会(American Telemedicine Association)の協力を得て作成されている
・AMEDのICT基盤構築研究事業「遠隔精神科医療の臨床研究エビデンスの蓄積を通じたガイドライ ン策定とデータ利活用に向けたデータベース構築(Japanese Initiative for Diagnosis and Tre atment Evaluation Research in Telepsychiatry:J-INTEREST)」の成果は発展させ編集されている
・医師だけでなく心理士にとっても有用である
この手引きが発行されたことによって、精神科領域でオンライン診療を行う・もしくはこれからオンライン診療を導入しようと考えている医療機関にとって有用であることは言うまでもないと思います。
この手引きの中で、遠隔精神科医療の開始準備 ・患者の適切性・診療計画の策定と同意取得・医師と患者の本人確認および場所の確認・テレビ電話実施時の物理的環境・ 他の医師(医療者)との連携・ 緊急時の対処 ・処方方法など項目に関しては、他領域でオンライン診療を行う上でも参考になると考えられます。