【5千件以上データ解析で判明】医療現場での配合変化の問題の約50%はたったの20品目だった!


注射薬を配合したり、側管から投与する際に「配合変化は起こさないか?」と心配になり薬剤部に問い合わせたり、自分で調べたりしていると思います。

ですが医療現場は忙しいので何か効率的に解決できる方法があれば助かると思っている人は多いと思いますが、その解決方法として「配合変化表」を作るのがおすすめです。

でも、配合変化表を作るのにどの薬剤を表に載せるか悩むと思います。施設によってはその病棟でよく使用する薬剤のなんとなく配合変化を表にしているというケースもあり、間違ってはいないですが、なんとなく薬剤を選ぶ方法では効率が悪い可能性が高いと思います。

配合変化表に載せるべき薬剤は「臨床現場で問題となりやすい薬剤」を載せるのが効率的です。(例えば生食はかなり使用すると思いますが配合変化はほとんど起こしませんので表に載せても無意味となります)

では、どの品目を配合変化に載せるべきかというと、弊社の調査で絶対に外せない「20品目」があることが判明しました。

この「20品目」を配合変化表に載せることで臨床現場で配合変化の問題の「約50%」を解決できる可能性がありますので、詳しく解説します。

※この記事では「医療薬学会薬物療法専門薬剤師」の監修の上で作成されております。

臨床現場で配合変化についてよく調べられている注射薬の上位20品目

臨床現場で困っている現状を調査するために、病院薬剤師や看護師がどのような薬剤の配合変化について調べているか調査したところ、5,000回以上の検索データを解析した結果、約50%はたったの「20品目」に集約できることがわかりました。

当サイトで独自調査した医薬品 配合変化 検索回数 ランキング 5000例以上のデータを解析し検索頻度が高い注射薬 の棒グラフと円グラフ。 電解質液、高カロリー輸液、フロセミドが上位で、223品目中20品目で全検索回数5417回の約50%(48%)をカバーしていることを示すデータ画像。
【データで見る重要性】 医薬品の配合変化に関する検索回数(5,417件)の解析結果。薬剤の種類223品目で、上位20品目が全体の約半数(48%、2633件)を占めています。特に電解質液、高カロリー輸液、フロセミド、ヘパリンなど輸液・注射薬の配合変化データが特に重要度が高いことが伺えます。

調査方法:2025年10月1日から2025年10月31日までに配合変化ライブラリーにて検索されたキーワード(5417件)を集計。

実際の具体的な検索数はこちらです。

注射薬の種類検索回数
全体検索数(223品目)5,417
電解質液(開始液・維持液)363
高カロリー輸液236
フロセミド232
ヘパリン196
ビーフリード193
乳酸リンゲル172
セフトリアキソン165
塩化カリウム137
ノルアドレナリン104
アンピシリン・スルバクタム103
酢酸リンゲル100
アミノ酸輸液80
ドブタミン79
メトクロプラミド73
ミダゾラム73
ビタミンB製剤70
カルバゾクロム68
ニカルジピン67
ファモチジン63
脂肪乳剤59

これらの品目と皆さんの病棟で頻繁に使用する薬剤を組み合わせることでかなり業務効率化を図れる配合変化表を作ることができると思います。

頻繁に検索されている薬剤の特徴は?

このデータは、医療従事者が配合変化に関して特に関心を持っている医薬品や輸液の傾向を示しています。その中でも注目すべきポイントとしては、「電解質輸液」「救急・重症管理で持続投与する薬剤」「特定の抗生剤」が挙げられます。

輸液・電解質関連

  • 電解質輸液が圧倒的な1位となっておりは、さらに、高カロリー輸液やリンゲル液、アミノ酸輸液等と含めると輸液関連がこのランキングの大部分を占めているのがわかります。患者の水分・電解質管理が日常業務の基本であり、そのプロトコルや適切な選択について確認するニーズが高いことを示しています。

救急・重症管理の薬剤

  • フロセミド(3位)、ヘパリン (4位)、ノルアドレナリン (9位)、ドブタミン (13位)、ミダゾラム (15位)、ニカルジピン (18位) など、緊急時や集中治療室で使用される薬剤が上位に多くランクインしており、投与量や適応、配合変化などの確認頻度が高いことが推測されます。

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