注射薬を配合したり、側管から投与する際に「配合変化は起こさないか?」と心配になり薬剤部に問い合わせたり、自分で調べたりしていると思います。
ですが医療現場は忙しいので何か効率的に解決できる方法があれば助かると思っている人は多いと思いますが、その解決方法として「配合変化表」を作るのがおすすめです。
でも、配合変化表を作るのにどの薬剤を表に載せるか悩むと思います。施設によってはその病棟でよく使用する薬剤のなんとなく配合変化を表にしているというケースもあり、間違ってはいないですが、なんとなく薬剤を選ぶ方法では効率が悪い可能性が高いと思います。
配合変化表に載せるべき薬剤は「臨床現場で問題となりやすい薬剤」を載せるのが効率的です。(例えば生食はかなり使用すると思いますが配合変化はほとんど起こしませんので表に載せても無意味となります)
では、どの品目を配合変化に載せるべきかというと、弊社の調査で絶対に外せない「20品目」があることが判明しました。
この「20品目」を配合変化表に載せることで臨床現場で配合変化の問題の「約50%」を解決できる可能性がありますので、詳しく解説します。
※この記事では「医療薬学会薬物療法専門薬剤師」の監修の上で作成されております。
臨床現場で配合変化についてよく調べられている注射薬の上位20品目
臨床現場で困っている現状を調査するために、病院薬剤師や看護師がどのような薬剤の配合変化について調べているか調査したところ、5,000回以上の検索データを解析した結果、約50%はたったの「20品目」に集約できることがわかりました。

調査方法:2025年10月1日から2025年10月31日までに配合変化ライブラリーにて検索されたキーワード(5417件)を集計。
実際の具体的な検索数はこちらです。
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| 注射薬の種類 | 検索回数 |
|---|---|
| 全体検索数(223品目) | 5,417 |
| 電解質液(開始液・維持液) | 363 |
| 高カロリー輸液 | 236 |
| フロセミド | 232 |
| ヘパリン | 196 |
| ビーフリード | 193 |
| 乳酸リンゲル | 172 |
| セフトリアキソン | 165 |
| 塩化カリウム | 137 |
| ノルアドレナリン | 104 |
| アンピシリン・スルバクタム | 103 |
| 酢酸リンゲル | 100 |
| アミノ酸輸液 | 80 |
| ドブタミン | 79 |
| メトクロプラミド | 73 |
| ミダゾラム | 73 |
| ビタミンB製剤 | 70 |
| カルバゾクロム | 68 |
| ニカルジピン | 67 |
| ファモチジン | 63 |
| 脂肪乳剤 | 59 |
これらの品目と皆さんの病棟で頻繁に使用する薬剤を組み合わせることでかなり業務効率化を図れる配合変化表を作ることができると思います。
頻繁に検索されている薬剤の特徴は?
このデータは、医療従事者が配合変化に関して特に関心を持っている医薬品や輸液の傾向を示しています。その中でも注目すべきポイントとしては、「電解質輸液」「救急・重症管理で持続投与する薬剤」「特定の抗生剤」が挙げられます。
輸液・電解質関連:
- 電解質輸液が圧倒的な1位となっておりは、さらに、高カロリー輸液やリンゲル液、アミノ酸輸液等と含めると輸液関連がこのランキングの大部分を占めているのがわかります。患者の水分・電解質管理が日常業務の基本であり、そのプロトコルや適切な選択について確認するニーズが高いことを示しています。
救急・重症管理の薬剤:
- フロセミド(3位)、ヘパリン (4位)、ノルアドレナリン (9位)、ドブタミン (13位)、ミダゾラム (15位)、ニカルジピン (18位) など、緊急時や集中治療室で使用される薬剤が上位に多くランクインしており、投与量や適応、配合変化などの確認頻度が高いことが推測されます。
抗生物質:
- 抗生剤は臨床現場では多くの種類が使用されている中でセフトリアキソン (7位) や アンピシリン・スルバクタム (10位) が特に検索されているようです。頻用される抗菌薬で特にセフトリアキソンはカルシウムを含む輸液との配合変化に注意が必要ということが有名なため気を付けている方が多いのではと思われます。
配合変化のデータは膨大で調べるのは大変だと思います。
弊社では簡単に配合変化データを調べられるデータベースを公開しています。
配合変化表を作る必要がないくらい「簡単」に素早く検索できますので是非使ってみてください。↓